01.23.05:57
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05.18.10:19
文科省「放射能を正しく理解するために」に精神科医抗議
京都の菊池さんから連絡頂きました。
全く同感の内容ですので、お伝えさせて下さい。
以下転載
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
精神科医からの大切な問題提起だと思いますので、本MLにも転載させていただこうと思います。
………………………………………………………………………………
「放射能を必要以上に心配するとPTSDに」という文科省に対して、精神科医が抗議
http://bit.ly/m7SlpY(Eisbergの日記)
以下は、Facebook にて得た情報である。ご本人が「転載しても構わない」と仰っているので、ここに
転載する。
大阪で精神科医をしています。
原発問題には以前から関心があり、今回の福島原発の事故も気が気ではなく、事態の展開を見守っていました。
最近になり、精神科医としても黙っていられない状況となり、以下のようなメールを友人の精神科医たちに送っています。
文科省が教育関係者に向けて「放射能を正しく理解するために」という文書を4月20日に発表しています。
精神科領域に関係することが書いてあるとのことでしたので、
目を通してみたのですが、なんてことだと頭を抱えてしまいました。
「放射能を正しく理解するために」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/21/1305089_2.pdf
前半は、あの「年間20mSVまでは安全」というとんでもない基準について
述べられていて、これだけでもかなり不愉快なのですが、我々精神科医に
直接関係してくるのは後半です。12ページの一番下に「放射線の影響そのものよりも、『放射能を受けた』という不安を抱き続ける心理的ストレスのほうが大きいと言われています」と書き、13ページ以降にその説明として、心理的な強いストレスの受けたときの子供の反応を解説し、「PTSD」について述べ、「放射能のことを必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします」と結論付けて、「からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!」と結んでいます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は過去の心的外傷が原因で発症しますから、現在進行形の事態に対してPTSDを持ち出すことはそもそもおかしな話です。
また、あたかも「放射能を心配しすぎて」PTSDになるかのような説明は
間違っています。
「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。
PTSDはレイプ、虐待、戦争体験、交通事故などなど、生命が危険にさらされる現実の出来事の後に生じる疾患です。
今、原発被害に関してPTSDを論じるのであれば、PTSDの予防ですから、
「安全な場所に避難すること」と「事実を伝えること」が必要です。
ところが文科省のこの文書は「年間20mSVでも安全という間違った情報」を与え、「避難の必要はない」と言っていますから、PTSDの予防としても間違っています。
そもそも放射線の被曝による生命の危機を認めていません。
あまりのお粗末さにあきれてしまい、開いた口がふさがりません。
福島原発の事故の責任は国にあります。
この文章は加害者である国が、被害者の口を封じ、あたかも被害の責任が
被害者側にあるかのような論述を組み立てています。
これは、レイプでも幼児虐待でも加害者側がよくやるやり方です。
このやり方を繰り返されているうちに、被害者は被害を受けたという事実が見えなくなり、自分を責め、PTSDであることすらわからなくなってしまいます。
PTSDという疾患概念は、被害者が自分の症状と過去の出来事との関連に
気づくためのものです。
それを被害者の口封じのために利用していることに腹立ちを感じます。
こんな内容の文書を信じる人はいないだろうと思っていたのですが、先週末に福島出身の作業療法士さんと話をしたら、「そんなことありませんよ。信じてしまいます。肩書のある偉い先生や、政府の人が言ったら、一般の人はそうかなって信じてしまいますよ。
福島は混乱しています」と言っていました。事態は切迫していて、黙っていたら加害者側に立つのと同じになってしまいます。
時間も気力も限られていますので、まずは伝わりそうな人に伝えています。
この文書の作成に協力している小児心身医学会とメールのやり取りをしているのですが、なかなか動こうとしません。
トラウマティックストレス学会には原発事故の際の心のケアについてちゃんとした文章が載っていました。
原発事故による避難者/被災者のメンタルヘルス支援について
http://www.jstss.org/pdf/konishi0324.pdf
以上です。
福島の皆さんにこのことを知らせたいと思っています。
文科省に文書を撤回させることはできなくても、知識を広めることで文書を無効化してしまえたらと思います。
転送等していただけたらありがたいです。
チェルノブイリの事故の後、心身の不調を訴える人々に対してソ連が
「放射能恐怖症」という精神科的な病名をつけて、放射線被曝の後遺症を認めようとしなかったことがありました。
それと同じことが日本でも起こるのではないかと心配しています。
放射線被曝の被害を矮小化しようとする国の態度は正さなければなりませんし、そのために精神医学が利用されることを防ぎたいと思っています。
………………………………………………………………………………
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/a8b451d39996f03c2f24e43c274ba719
ジャーナリスト 木下黄太のブログ「福島第一原発を考えます」HPに2011-05-17 付で原文が載っています。
昨日私たちがこのお話を聞いて、びっくりし信じられないような思いにたったのですが、同じ思いを持って抗議して下さる方が同時に居る事を嬉しく、みんな繋がっていると心強く思います。
子どもたちが通っている小学校の校長先生に昨日電話をし、福島の子どもたちの20ミリシーベルト撤回の要請書のことを一緒に考えてもらうため時間を設けてもらうようにお願いしました。
来週時間を取って下さることになったので、正気の沙汰とは思えない「放射能を正しく理解するために」についても、精神科医の先生の文章をプリントアウトし、チェルノブイリに関してもこちちらで正しい資料を用意し、お伝えしたいと思います。
全く同感の内容ですので、お伝えさせて下さい。
以下転載
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
精神科医からの大切な問題提起だと思いますので、本MLにも転載させていただこうと思います。
………………………………………………………………………………
「放射能を必要以上に心配するとPTSDに」という文科省に対して、精神科医が抗議
http://bit.ly/m7SlpY(Eisbergの日記)
以下は、Facebook にて得た情報である。ご本人が「転載しても構わない」と仰っているので、ここに
転載する。
大阪で精神科医をしています。
原発問題には以前から関心があり、今回の福島原発の事故も気が気ではなく、事態の展開を見守っていました。
最近になり、精神科医としても黙っていられない状況となり、以下のようなメールを友人の精神科医たちに送っています。
文科省が教育関係者に向けて「放射能を正しく理解するために」という文書を4月20日に発表しています。
精神科領域に関係することが書いてあるとのことでしたので、
目を通してみたのですが、なんてことだと頭を抱えてしまいました。
「放射能を正しく理解するために」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/21/1305089_2.pdf
前半は、あの「年間20mSVまでは安全」というとんでもない基準について
述べられていて、これだけでもかなり不愉快なのですが、我々精神科医に
直接関係してくるのは後半です。12ページの一番下に「放射線の影響そのものよりも、『放射能を受けた』という不安を抱き続ける心理的ストレスのほうが大きいと言われています」と書き、13ページ以降にその説明として、心理的な強いストレスの受けたときの子供の反応を解説し、「PTSD」について述べ、「放射能のことを必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします」と結論付けて、「からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!」と結んでいます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は過去の心的外傷が原因で発症しますから、現在進行形の事態に対してPTSDを持ち出すことはそもそもおかしな話です。
また、あたかも「放射能を心配しすぎて」PTSDになるかのような説明は
間違っています。
「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。
PTSDはレイプ、虐待、戦争体験、交通事故などなど、生命が危険にさらされる現実の出来事の後に生じる疾患です。
今、原発被害に関してPTSDを論じるのであれば、PTSDの予防ですから、
「安全な場所に避難すること」と「事実を伝えること」が必要です。
ところが文科省のこの文書は「年間20mSVでも安全という間違った情報」を与え、「避難の必要はない」と言っていますから、PTSDの予防としても間違っています。
そもそも放射線の被曝による生命の危機を認めていません。
あまりのお粗末さにあきれてしまい、開いた口がふさがりません。
福島原発の事故の責任は国にあります。
この文章は加害者である国が、被害者の口を封じ、あたかも被害の責任が
被害者側にあるかのような論述を組み立てています。
これは、レイプでも幼児虐待でも加害者側がよくやるやり方です。
このやり方を繰り返されているうちに、被害者は被害を受けたという事実が見えなくなり、自分を責め、PTSDであることすらわからなくなってしまいます。
PTSDという疾患概念は、被害者が自分の症状と過去の出来事との関連に
気づくためのものです。
それを被害者の口封じのために利用していることに腹立ちを感じます。
こんな内容の文書を信じる人はいないだろうと思っていたのですが、先週末に福島出身の作業療法士さんと話をしたら、「そんなことありませんよ。信じてしまいます。肩書のある偉い先生や、政府の人が言ったら、一般の人はそうかなって信じてしまいますよ。
福島は混乱しています」と言っていました。事態は切迫していて、黙っていたら加害者側に立つのと同じになってしまいます。
時間も気力も限られていますので、まずは伝わりそうな人に伝えています。
この文書の作成に協力している小児心身医学会とメールのやり取りをしているのですが、なかなか動こうとしません。
トラウマティックストレス学会には原発事故の際の心のケアについてちゃんとした文章が載っていました。
原発事故による避難者/被災者のメンタルヘルス支援について
http://www.jstss.org/pdf/konishi0324.pdf
以上です。
福島の皆さんにこのことを知らせたいと思っています。
文科省に文書を撤回させることはできなくても、知識を広めることで文書を無効化してしまえたらと思います。
転送等していただけたらありがたいです。
チェルノブイリの事故の後、心身の不調を訴える人々に対してソ連が
「放射能恐怖症」という精神科的な病名をつけて、放射線被曝の後遺症を認めようとしなかったことがありました。
それと同じことが日本でも起こるのではないかと心配しています。
放射線被曝の被害を矮小化しようとする国の態度は正さなければなりませんし、そのために精神医学が利用されることを防ぎたいと思っています。
………………………………………………………………………………
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/a8b451d39996f03c2f24e43c274ba719
ジャーナリスト 木下黄太のブログ「福島第一原発を考えます」HPに2011-05-17 付で原文が載っています。
昨日私たちがこのお話を聞いて、びっくりし信じられないような思いにたったのですが、同じ思いを持って抗議して下さる方が同時に居る事を嬉しく、みんな繋がっていると心強く思います。
子どもたちが通っている小学校の校長先生に昨日電話をし、福島の子どもたちの20ミリシーベルト撤回の要請書のことを一緒に考えてもらうため時間を設けてもらうようにお願いしました。
来週時間を取って下さることになったので、正気の沙汰とは思えない「放射能を正しく理解するために」についても、精神科医の先生の文章をプリントアウトし、チェルノブイリに関してもこちちらで正しい資料を用意し、お伝えしたいと思います。
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