01.23.05:48
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01.25.02:43
こども芸術大学 制作文 / 央飛人の自己主張・根源
<央飛人の自己主張>
私が、うきうきパンを作る作業をしていると、2歳の央飛人(ひろひと)がダダをこねてはじめました。それが本当に激しいので困ってしまいました。
私の気持ちが自分から離れていると感じるのでしょう。
「今な、おひさまパンを作ってるんやで。ほらこんなんやで。焼けたらたべよな。」
パンを見せてそう説明しても全くおさまりません。
他の事なら少々中断できるのですが、パンの形成となると、生地が乾燥して、硬くなったり発酵度合いもまちまちになってしまい、仕上がりに大きく影響してくるので手を休めるわけにいきません。
「ごめんね。終わるまで待ってね。」そう言っても、こんな時の彼の耳には届くはずもありません。
<自己主張の根源>
その様子を見ていると、あるひとつの出来事を思い出します。
それは彼が1歳になるかならないかの時、家に泊りがけで来られる5人のお客さんの夕飯と宿泊の準備を1人で用意した時の事です。
親しい人たちなのでそんな準備も苦にはならず楽しいのですが、やっぱりこども達の相手をしながらだと思うようにいきません。いよいよ予定の時間が迫っているとなると集中しないと事が進みません。そういう空気を察知して央飛人はそれまでなかったように泣き、足元から離れず、余裕のない私はそうした央飛人の気持ちに答える事なしに準備をこなしました。
それまでの彼は非常に安定していて、夜泣きもした事がなく、いつも笑顔で本当に純真無垢な存在そのものの様に思えていたのが、そのでき事を境に彼の様子が変わりました。
そのとき彼は、<お母さんに拒絶された>…という強い感覚を持ってしまった様に思います。
何か、それに近い様な事があると、彼にその感覚がよみがえっているのを感じます。その感覚を感じ激しく泣いて訴えている様に思います。
忙しい日常の中でも、私が彼と真剣に向き合い、じっくり時間をかけてその氷が自然にとけるのを待つしかないと思っています。
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